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山ノ内ヘ

北鎌倉に縁の土地は現代に残る未開の跡地、都会子畑我流的備忘録。

地下茎

2017.4.6

木曜日は午前から。

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石だけではなく、根がしつこい。竹の地下茎は怪物だ。シャベルの方がやられそう。建築の女の子は、山ノ内で自由に動くには少し小綺麗な格好。にも関わらず入り行くという選択肢すら無かった廃墟の中へぐんぐん行こうとする。仕方なしに先頭を切ると、唖然とした光景が。奥の部屋の引き出しの中にちらと見えたものがおそらく明らかに大型の蜂の巣。たぬきうどんのたぬきのような紋様の茶色い塊がちらと顔をのぞかせていて、今見つけて良かったね、と彼女はあっけらかん。その後気になったのか立ち寄ってくれた近所に住んでるらしい植木屋さん曰く、廃墟の側の土地半分はどうやらお寺のそれではないらしく(危うく不法侵入)。廃墟でない側には離れ合わせて二軒家が建っていたことも判明。キソがあったのはそのためだった。

駅から徒歩十分程

2017.4.5

水曜日の日暮れ前。

夜の用事の前に顔を出すことにした(誰もいないけど)。万能鍬が倉庫にちゃっかり仲間入りしていた。福さんのお心分けだ。ありがとう。段地の手前の区画は石がごろごろと出土し過ぎる為、そこの石をスコップで無心にかき出す。途中、先が見えずに嫌気がさす。動作を止め、段の上の椅子に腰掛けるとすぐ肌寒くなる。北鎌倉は比較的温度が低く、山ノ内は肌寒い。f:id:kzbeethoven:20170408081557j:plain

白い猫が一匹入って来て、こちらをじっと見て姿をくらました。水道はあるけど出ないためとっておいた水で手を洗い、日暮れ前に撤収して、駅前の中華屋「大陸」で気になっていたチキンライス。予想のどこからもはみ出さない見た目とおいしさと。餃子をお持ち帰りする近所の常連さんが待ち時間、店主のおじさん、おかみさんとやり取りしているのを聞いて羨ましく思えた。

 

kitakamakuraseimaisyo

2017.4.3

月曜日午後。

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福じーと二人での作業。井戸の深さを測ると、なんと二十二メートル。ここは日当たりがいいから畑にしたいな。ここを耕すには瓦礫をどけて、石を掘り起こして。途中福じーを一人残して痛い左膝を庇いながら権兵衛踏切を渡り、反対側の山ノ内へ。途中、北鎌倉女子学園を通った。生徒は誰もいなくてまわりの桜がとても綺麗で、不覚にも海街diaryのすずちゃんを思い出した。米糠をもらいに行く道中。分けてくれたkitakamakuraseimaisyoは顔見知りのご家族が営まれているところで、あらあなただったのねとびっくりされる。仕事中の仲睦まじいママとパパを見ていたら、可愛らしい子供達の顔が浮かんだ。

 

持てる量の米糠を持ち帰り、畑に撒き、僕の留守中に集めておいてくれた落ち葉を(掃除にもなっていた)福じーにもらいそれも畑に撒いた。順番がいっちゃかめっちゃかだがもう仕様がない。日の暮れる六時過ぎまでぼんやりしていたら、背後からリスにボウボウ啼かれた。その啼き声が不吉で気持ちが悪くて、「部外者のいるところじゃない、出て行け」と言われているようで、怖くなって撤収した。なんだか知らないところで噂が広まって、次は3日後、大学建築学部の女の子を案内することに。

 

 

 

 

 

 

 

畝、種蒔、ブランコ

2017.3.25

土曜日の昼過ぎ。

昨晩の酒の席でこの話をしたら気に掛けてくれた友達がまた一緒に来てくれた。福じーも入れて今日は三人。利用図は書いたものの、手探りが過ぎていたためか、それっぽくしてしまえと土壌に希望は無いにも関わらず、昨日の今日という勢いで、畝を5つそれっぽく作り、ダイソーで買った種(枝豆、スナップエンドウ、黒豆、等々)を撒いてみた。

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福じーは廃墟の方で何やら場所を作っている傍ら、この段地の段の上の脇から生える大きなサクラの木からブランコ作りを計画。廃墟の方のツルだらけの木からツルと、竹の軽いのを選び取り、脚立を使ってサクラによじ登りツルを引っ掛けて竹を通しツルを絡ませて即席ブランコを作った。いずれ近所の子供たちも呼べたらと、しかしそれにしてはあまりにまだ危なすぎる、そのあたりの見解で落ち着いて、解散。ありがとう。

 

掘り起こす

2017.3.24

金曜日。

前日の必然的な深夜徘徊の余韻が残る正午過ぎに仕事の早く終わったという友達から催促が来て家を出る。昨晩近所でファンシーな小屋を見たせいか、久しぶりに行く気になっていたので彼も誘って行ってみることに。スコップとレーキと飲み物を片手に午後遅めの突入。

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二×三程を耕す。粘土質で単粒構造というか、硬い粘土が固まりになってボコボコしていて、作物が育たそうにもないが夕暮れとともにこの日は撤退。初めて、手を加えた。少しだけ風景が変わった気がした。道具は置きっ放しの倉庫へイントゥ。

 

いざ、行けず

2017.3.7

火曜日。

下見をしてから半月が過ぎ、何かせねばと利用図を描き出してみる。絵は苦手だのにこういう作業がひときわ楽しいのは何故だろう。

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御住職にまで送りつけ、今晩は泊まると意気込む。大切な人生の先輩に晩酌と夕食まで奢ってもらい、いざバスケットに準備物を詰め込み、毛布を小脇に抱えたところで、時計を見たら0時前の大船。いろいろと心配をしてもらい、結論、準備に手間取り終電を乗り過ごし行けませんということにする。あゝナントも情けない。遠隔地から山ノ内にいるであろう深夜の怪異的存在を感知したとでもいうのか。怖気付いた、それだけの話。

 

権兵衛踏切その先に

2017.2.15

水曜日。

円覚寺側にて御夫妻と午後二時過ぎに待ち合わせて踏切りを渡り北鎌倉の駅舎をぐるっと回るように、細いホーム裏の淡水魚水族館(私営)を通り過ぎてまた渡り、線路沿いを行き、権兵衛踏切を通り過ぎたところで住宅街へと、おもむろに入っていくとそこには、工事現場作業用の荷台用線路のある笹に覆われた階段通路が出現する。鍵がかかった扉を開けてカーブを曲がり、依然として鬱蒼とした雰囲気の緑を潜るとどうやらその全貌が明らかになる。

百七十坪とその数値の印象で膨らんでいた期待などどこへやら、それどころではない奇なる現実の風景が露わになった。まず、左手には話には聞いていた焼け落ちた一軒の廃墟の残骸。玄関らしき建造物と表札は残っていて、住所も書いてある。右手にはそこも恐らく家があったのだろう、しかし廃墟に比べれば見る影もなし。手前の斜面はほとんど大量の竹に覆われて、正面奥はさらに斜面。その上や奥には民家があった。右手の家の跡の奥には煉瓦造りの遺跡のような段地。f:id:kzbeethoven:20170408045222j:plain

段地には回り込んで登ってみる。そこからの風景は子供の頃遊んでいた羽根木公園を思い出させた。何かが起こりそうな予感と実際に一人では到底手に負えない無力感がない交ぜになる。それでもどうにか手探りでやってみよう。取り敢えず、そう思った。廃墟の奥の山道を抜けるとそこは、その地域の氏神様の祀られた神社だった。犇めく竹の隙間からは横須賀線の線路が見えて、走る音も聞こえる。帰る頃、丁度段地のあたりには西日が差していた。